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さくらんぼ 4th

カテゴリー:TURN LAND

実施年度:2025年度

    参画施設・団体

    豊島区立心身障害者福祉ホームさくらんぼ

    心身障害者の自立助長のための日常生活の援護、支援を行う施設。

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    さくらんぼは、豊島区在住の心身障害者の方が保護者の死亡・高齢化・疾病などの理由で、就労または福祉作業所等への通所が困難となった場合に、住み慣れた地域で生活ができるよう、自立助長のための日常生活の援護、支援を行う施設。

    社会福祉法人 恩賜財団 東京都同胞援護会
    心身障害者福祉ホーム さくらんぼ 公式ウェブサイト

    https://doen.jp/introduction/handicap/sakuranbo

    活動紹介

     

    昨年度に引き続きダンサーのアオキ裕キを迎え、施設の日常の延長線上に、踊りを通じた利用者や職員および施設外の人々との交流の時間を生み出す。

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    これまでの活動
    2024年度
    https://turn-land-program.com/case_post/27sakuranbo_2024/
    2023年度
    https://turn-land-program.com/case_post/16sakuranbo_2023/
    2022年度
    https://turn-land-program.com/case_post/04sakuranbo_2022/

    プロジェクトメンバー

    活動記録  

    プロジェクトの動き

    2025年

    2025年6月6日(金)14:00〜15:00 会場:さくらんぼ

    企画会議と現状共有


    施設の食堂兼リビングルームにて、施設職員とアーティストのアオキ裕キ、事務局メンバーが集い、2025年度の活動について打ち合わせを行った。

    アーティストのアオキは、今後の活動に向けて「職員の皆さんと一緒に踊ることで、どんなものが生まれるのかに関心がある。利用者さんも含め、みんなで一緒にやることでこそ生まれるものがあると思う。」と語った。
    職員から、秋に予定している施設の改修工事や、その間の移転先について話を伺った。

    2025年度の施設改修と引っ越しをふまえ、「引っ越しの緊張をほぐす」が活動のテーマに掲げられた。そのビジョンのもと、職員や利用者と体操で身体をほぐす時間を設けたり、アーティストが施設に宿泊して利用者と交流する機会をつくることなどが話し合われた。写真左手前からアーティストのアオキ、事務局メンバー2名、職員の杉田雪絵、戸村敦。

    2025年7月22日(火) 7月28日(月) 会場:さくらんぼ

    職員向け体操プログラム/入所施設での宿泊体験


    7月22日の職員会議の休憩時間を活用して、アーティストのアオキ裕キが施設職員を対象に体操プログラムを実施した。さらに、職員からの提案を受け、7月28日にはアオキと事務局メンバーが施設に宿泊し、入居者の生活を体験した。

    施設職員向けにオリジナルのプログラムを実施するアオキ(右)。施設の引っ越しを控えた緊張を和らげるため、ストレッチやマッサージ、呼吸法、瞑想などを組み合わせたエクササイズを行った。参加した職員からは「頭がすっきりした」との声が寄せられた。
    次回の施設宿泊体験に向けた打ち合わせ。利用者を緊張させないために彼らの苦手なことや配慮すべきことなどを共有した。写真右から施設職員の戸村敦、アオキ、一緒に宿泊予定の事務局メンバー。
    宿泊当日の様子。施設の食堂兼リビングルームで、アーティストのアオキと事務局メンバーが利用者や職員と共に夕食を囲んだ。食事の進め方など日常のルーティンを観察しながら、利用者や職員との交流を深めていった。
    利用者が自室にてアオキにノートを見せてくれている様子。ノートは非常に丁寧に記入されており、ルーティーンや得意なことなどの話を聞くことで親睦が深まった。写真右から施設職員の戸村、利用者、アオキ。

    夕食後、利用者が自身で描いた多くの絵をスマートフォンで見せてくれた。利用者はアオキと初対面であったが、絵のことや、通所している作業所で作品を販売していることなどを嬉しそうに話してくれた。写真左から利用者、アオキ、事務局メンバー。

    2025年10月21日(火)13:00〜14:00 会場:さくらんぼ

    施設訪問


    アーティストのアオキ裕キと事務局メンバーが、引っ越し後の仮施設を訪問し、職員の案内のもと施設見学を行った。見学後の打ち合わせでは、利用者や職員とお面をつくり、身に着けて共に時間を過ごすことで、環境が変わる中でも安心して自分らしくいられる時間を生み出すことを目指したプログラムの提案が行われた。アオキが持参したお面のサンプルを囲みながら、制作方法や当日の流れを共有した。

    引っ越し後の施設を見学。校舎を活用した館内には、廊下や食堂兼リビングルームに職員が制作した装飾が施され、ソファやDVD、本が並ぶなど、引越しから間もない中でも利用者が落ち着いて過ごせる居心地のよい空間が整えられていた。
    アオキは前回の宿泊体験での利用者と職員の様子を見ていて「お面」のアイデアを思いついたそうだ。実際に使用する素材を手に取りながら作り方を共有し、職員と一緒に利用者が取り組む様子を想像した。


    画用紙で作った骨組みに新聞紙を貼ると、お面の土台が出来上がる。テーブルに並んでいるのはアオキが着彩して完成させたお面。土台から作れば、鼻を膨らませたり耳を付けたりするなど、思い思いの形を作ることができる。手作業による創作を通したやり取りと、お面を身に着けて行う全身を使ったコミュニケーションが、どのように展開していくのか。その可能性に期待が膨らんだ。


    2025年11月30日(日)13:00〜15:30    会場:さくらんぼ

    地域交流会


    引っ越し後、初となる施設主催の公開イベント「さくらんぼお披露目フェス」に、アーティストのアオキ裕キと事務局メンバーが参加した。職員や利用者が用意した綿飴やフランクフルトの提供に加え、防災対策や施設の日常を紹介する展示なども行われ、地域の方々やこれまでの利用者を含む施設の関係者など多くの来場者でにぎわった。アオキも利用者一人一人との会話や交流を心から楽しんだ。

    アオキは施設の日常生活を伝える写真やキャプションの展示を、一つ一つ丁寧に見て回った。関わりの少ない地域の人々にも、利用者の暮らしや施設の雰囲気が自然に伝わるような展示だった。
    アオキ(写真右手前)は来場者の様子を観察しながら、利用者の一時的な「居場所」となる会場の空間の特性や、引っ越す前との地域の違いを味わった。


    利用者がビンゴゲームコーナーを手伝っている様子。場所が変わっても変わらない、いつもの利用者の姿が見られた。

    2025年12月6日(土)12:40〜17:00    会場:さくらんぼ

    お面づくりワークショップ

    アーティストのアオキ裕キが、施設での宿泊をきっかけに提案したお面づくりワークショップを開催した。利用者と職員はアオキの説明を受けながら、用意された下地に絵の具で着彩し、それぞれのお面を完成させていった。制作を通して利用者の新たな一面が垣間見え、職員も含めて、肩の力を抜いて過ごす穏やかな時間が共有された。

    利用者が普段食事やレクリエーションを行う共有スペースを会場にした。長期利用の利用者や職員に加え、一時利用の利用者も参加した。
    利用者は気に入った色を絵筆に取り着彩し、個性あふれるお面を制作した。日頃から絵を描く利用者の一人は、お面に込めた物語を嬉しそうに語っていた。
    利用者も職員もアオキも、お面の下地づくりに取り組んだ。ボール紙の骨組みに新聞紙を丁寧に貼る工程を集中して進めた。
    アオキはゴムを通す穴の位置を利用者と相談した。作業の合間には、利用者がお面に込めた思いを語る場面もあった。
    職員の提案で、完成したお面を手に近くの公園へ散歩に出かけた。こどもたちが遊ぶ中、利用者や職員、アオキも喜んでお面をつけ、お面の醸し出す独特な風情を楽しんだ。
    アオキの提案で記念撮影を行った。場所やポーズをみんなで話し合うと、それぞれのお面に込められたテーマや物語が引き出され、個々の内なるイメージを全員で分かち合う時間となった。
    photos: Ayaka Umeda