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La Mano 1st

カテゴリー:TURN LAND

実施年度:2022年度

    参画施設・団体

    クラフト工房La Mano

    (障害のある人とない人が共に物づくりに励んでいる染織工房)

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    La Manoは、町田市の住宅街の里山のような森の中にあり、障害のある人とない人が共にモノづくりを行っている場所です。藍や草木で糸を染めたり、染めた糸を使っての織り、刺しゅうなどのクラフト製品の制作や、小さなアトリエで個々の豊かな表現活動を行っています。様々な分野のアーティストを施設に招き、職員のコーディネーターとしての人材育成も兼ねたアートプロジェクトを実施します。

    活動紹介

     里山のような森の中にある、障害のある人とない人が共にモノづくりを行う障害者支援施設「クラフト工房 La Mano」。藍や草木で染めた糸や布で、織物や布の製品を作っている。刺繍などのクラフト作品の制作や、イラストや絵画制作など、利用者個々の豊かな表現活動も行っている。本プロジェクトはこれまでのアーティストとの交流経験(※)をさらに発展させ、これまで以上に利用者とアーティストの交流の機会を増やし、職員全体の理解やサポートも広げていきたいという施設長の高野賢二の思いを起点にスタートした。そのため今年度は、利用者が日常の中でアートプロジェクトに参加できる取り組みや、職員向けのワークショップも実施。アートプロジェクトを導入することの可能性や効果を、施設全体で考える場が生まれた。

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     福祉施設とのプロジェクト経験の多いアーティスト・水内貴英、写真家・美術家の飯塚純、フラメンコダンサーのえんどうえこ、カンタオール(フラメンコ歌い手)のダニエル・リコ等、異なるジャンルの表現者を施設に招き、利用者、職員全員がワークショップに参加できる場を創出。日常に訪れたアーティストとの新しい交流を楽しむ利用者の様子が見られた。水内との協同制作では、水内と利用者がコミュニケーションをとりながらアイデアを形にしていった。職員達の中には、そのプロセスを経験しアートプロジェクトの可能性を肌で感じているような姿もあった。飯塚の写真の職員向けワークショップは、職員のスキルアップ研修の場でもあった。それは一人一人が目の前の現実から「何を切り取るのか」を問いかけるものであり、コーディネーターとして必要になる視点の醸成でもあった。

     スケールの大きな作品づくりを得意とするアーティストの水内が、畑や森があるLa Mano敷地内のランドスケープを、地域の人と利用者がともに過ごせる居場所にする企画を提案した。まずは「ともに在る場所ユーカリと竹のデッキのワークショップ」を開始。また、水内が工房用にこたつを制作。みんなでこたつを囲みながら、「はじめましてのワークショップ・こたつに入って春の妖精をつくる」を実施。これは粘土で球根を包み、敷地内の土に植えるワークショップで、利用者は普段仕事をしている姿とは異なる側面を見せた。

     2023年3月には、組み上げたウッドデッキをステージにして、フラメンコのダンサーと歌い手を囲み、踊りと歌と共に過ごす時間が生まれた。このような様々な関わりは、日々の生活にも変化をもたらす可能性を秘めている。

    ※前身のTURN事業の一環でアーティストが交流し、多彩な企画を展開してきた。

    活動記録「ともに在る場所」 

    コーディネーターとアーティストの動き

    2022年

    • 8月5日
      • コーディネーターがオンラインで顔合わせ
    • 9月15日
      • コーディネーターが施設見学
    • 10月14日
      • オンラインで打ち合わせ
    • 10月27日
      • コーディネーターが施設で事業説明、水内さんがオンラインで顔合わせ
    • 11月29日
    • 12月16日
      • 飯塚さん写真研修2回目
    • 12月23日
      • ナカガワエリさん、水内さんワークショップ<中止>

    2023年

    2022年11月29日

    水内さんが施設を訪問/飯塚さん写真研修1回目

    アーティストが施設を見学。左は施設長の高野さん、右が水内さん。コーディネーターの竹丸さんと事務局の渡邉さんも同行。
    スキルアップ研修として実施した、飯塚さんによる写真のワークショップ。職員さん一人一人に、物事をどの視座で見るのかを意識してもらうことから始めた。

    2023年1月23日

    「はじめましてのワークショップ・みんなでこたつに入って春の妖精をつくる」

    工房に備えたこたつに入り、話しながら粘土で作品をつくり、そこに球根を埋めてラマノの敷地に置いておく。それは風雨にさらされながら、花を咲かせていく。
    春の妖精。形や大きさはさまざま。

    La Mano× TURN LAND 通信発行 / デッキ制作基礎づくり

    コロナ禍で施設に通いにくくなった時期に、アーティストの水内さんが発行を始めた「La Mano×TURN LAND通信」。4号はえこさん、ダニエルさんからワークショップのお知らせ。
    水内さんの制作イメージから「ともに在る場所ユーカリと竹のデッキ」基礎づくりが進む。

    2023年3月8日

    ダニエル・リコさんとえんどうえこさんによるフラメンコのワークショップ

    LaManoのメンバー(利用者)たちがスカートやエプロン型の衣裳を身につけ、音が鳴らせるシューズカバーを履いてデッキの上で代わるがわる踊った。 
    えこさんのダンスにカンタオールのダニエルさんの歌が付いて、「オーレ」、「ブラボー」と声をかけあいいながら、デッキのステージがフラメンコのリズムで盛り上がるひと時となった。