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はぁとぴあ原宿 2nd
カテゴリー:TURN LAND
実施年度:2023年度
参画施設・団体
渋谷区障害者福祉センター はぁとぴあ原宿
知的障害者・身体障害者を対象とする入所支援、通所の生活介護や児童発達支援などを行う福祉施設。
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はぁとぴあ原宿は、施設入所支援、生活介護(通所)、 短期入所、日中一時支援、児童発達支援などの支援を提供する渋谷区の中核となる障害児者支援施設。 生活介護事業では、障害者アート活動への積極的参加と、理学・音楽療法などのリハビリテーション支援に取り組んでいる。また感覚統合とソーシャルスキル訓練を柱とした児童発達支援も行っている。
活動紹介
現れては消える愛おしい出来事を紡ぎ味わうプロジェクト
アーティストの永岡大輔が考案した「原宿荒野」は、はぁとぴあ原宿の屋上を拠点に、荒野のようにさまざまな植物が自生しては消えていくことを繰り返しながら、じっくりとその場に合った何かが育っていく状況を目指し、動き始めまた。昨年建てた小屋も夏の強い日照りと雨風が吹きさらす過酷な状況に朽ち、撤去を余儀なくされ、都会のど真ん中にも自然の脅威を間近に感じられる屋上の特性を身に染みるように学ばされる機会となった。
プロジェクトメンバー
活動記録 「原宿荒野」と似顔絵と
プロジェクトの動き
2023年
- 5月25日
- 顔合わせと現状共有(職員、事務局)
- 7月7日
- 企画構想会議 TalkTreeWORKSHOP®(アーティスト:永岡、職員、事務局)
- 8月28日
- 実施検討会 バナナの木を見に行く(職員、事務局)
- 8月30日
- 企画構想会議(アーティスト:永岡、職員、事務局)
- 9月19日
- 企画実施 バナナの苗をはぁとぴあ原宿に運ぶバスツアー(アーティスト:永岡、利用者、職員、事務局)
- 9月21日
- 企画実施 はぁとぴあ原宿の活動に参加(アーティスト:岩田、職員、事務局)
- 10月18日
- 企画検討会(アーティスト:永岡、職員、事務局)
- 10月21日
- 11月9日
- 企画検討会(アーティスト、職員、事務局)
- 11月13日
- 企画実施 屋上の「小屋」の撤去とバナナ植え替えについてオンライン相談(アーティスト:永岡、職員、事務局)
- 11月15日
- 企画実施 バナナの植え替えと岩田の企画構想(アーティスト:永岡・岩田、職員、事務局)
- 12月13日
- アイディア相談会 オンライン(アーティスト:岩田、職員、事務局)
- 12月20日
- アーティストによるプレゼンテーションと意見交換(アーティスト:永岡・岩田、職員、事務局)
2023年7月6日(木)16:30~18:30 会場:はぁとぴあ原宿
企画構想会議 TalkTreeWORKSHOP®
ツリー(Talk Tree)を作りながら今年度の活動を考える
原宿にある障害児者支援施設はぁとぴあ原宿に通うアーティストの永岡大輔は、前身のTURN事業の期間も含めると4年ほど活動を継続している。コロナ禍で対面の活動ができない際にはオンラインで、そして昨年度はリアルで、利用者が職員や外部ゲストの似顔絵を描く活動を行ってきた。
そんな交流期間の長いはぁとぴあ原宿と永岡が、TURN LANDプログラムの2年目を迎えるにあたり、改めてこれまでを振り返りつつこれからの展開を一緒に考えていくために、「TalkTreeWORKSHOP®」(※)を実施した。
今年度は秋に開催される施設のお祭りで、これまで継続してきた「似顔絵」をやりたいという具体的なアイデアが出た。また、施設の屋上には畑があり、都心とは思えないゆっくりとした時間が流れている。昨年度はこの屋上にドーム型の小屋を作ったので、今年度はそれを活用しながら活動を展開していきたいという意見が交わされた。
※ TalkTreeWORKSHOP®は、組織や人を1本の木に見立て、自分たちの活動が誰のために、何のためにあるかについて考え、積極的なコミュニケーションを促すことを目的としたもの。Talk Treeを考案した加藤未礼がファシリテーターを務め、今年度のプログラム参画施設・団体でそれぞれ実施している。
2023年9月19日(火)10:00~12:30 会場:はぁとぴあ原宿、SHIBAURA HOUSE
企画実施 バナナの苗をはぁとぴあ原宿に運ぶバスツアー
芝浦から原宿へ、バナナの苗の大移動〜はぁとぴあ原宿の屋上に迎え入れる
はぁとぴあ原宿の屋上には、菜園がある。職員と利用者が共に、玉ねぎをはじめ、オクラやトマト、ナスなどさまざまな野菜や植物を育てていて、施設の前で販売したり、地域のお店に卸したりしている。昨年度はこの屋上を、さまざまな可能性の種を育てる原宿の「荒野」にしたいというビジョンを持って、アーティストの永岡がはぁとぴあ原宿に通い、施設と共にさまざまな活動を行ってきた。プロジェクトメンバーが集まって、似顔絵活動のほか、こんなことをしてみたい、あれもやってみたいとアイディアを出し合う中の1つに、「バナナを育てる」という案があった。
バナナは熱帯の植物だが、日本でも環境によっては栽培可能だという。コーディネートスタッフが関係する、芝浦にあるコミュニティスペースSHIBAURA HOUSEで昨年からバナナを育て始めていて、実も収穫できたことを紹介すると、永岡が「それいこう!」と判断し、そのバナナから株分けしてもらうことを決めた。はぁとぴあ原宿の屋上に移動するため、施設に流れる時間感覚を大事にしながらあまり急がずに計画を立て、半年かけてついにそれを実行する日がやってきた。
バナナの移動手段は利用者の送迎バスを特別に使うことに。朝、施設に集合して、利用者3名と職員、永岡、スタッフがバスに乗り込み、道中車内でおしゃべりをしたり利用者が得意の歌を聞かせたりしながら目的地に向かった。これまでコロナ禍で制限されていたことも重なり、利用者の外出は貴重な機会となった。SHIBAURA HOUSEに到着した後は、バナナ育成を担当している、通称「バナナ先生」こと佐々木巧海さんに育て方をレクチャーしてもらい、苗をバスに積み込んだ。
次回の活動では、小さい鉢に入っているバナナの苗を、屋上に植え替えする予定。バナナをきっかけに、色々な人を施設の外から招いて交流することも企画中だ。
2023年9月21日(木)10:00~14:00 会場:はぁとぴあ原宿
企画実施 はぁとぴあ原宿の活動に参加
アーティストの岩田とも子がこどもとはぁとぴあ原宿で半日過ごす
アーティストの岩田とも子が、1歳になるこどもとはぁとぴあ原宿を訪れた。施設には、「藍」「織」「麦」「紙」「歩(あゆみ)」などの工房があり、利用者がそれぞれの工房で日中活動を行っている。岩田は午前中、「歩」工房の利用者と一緒に代々木公園まで行って散歩し、午後は「紙」工房で紙漉き作業を見学した。
岩田はその中で見つけたいくつかのキーワードに沿って、観察メモを残した。メモには、利用者の歩く速度について職員が発した「ペースメーカー」という言葉に、こどもとの日常を重ね合わせて感心する様子が記されている。ペースを作ること、歩くこと、こどもの変化など、半日を施設で過ごした岩田の思考の変遷を読むことができる。
岩田による感想メモ → PDFはこちら
2023年10月21日(土)10:00~15:00 会場:はぁとぴあ原宿
企画実施 はぁとぴあ祭にて「永岡大輔さんとの似顔絵」活動
似顔絵描きと歌のコーナー
似顔絵描きは、前身のTURN事業を経て、オンラインでも試みてきた取り組み。コロナ禍が落ち着き、ようやく念願の野外での開催が叶った。
はぁとぴあ原宿正面玄関の外に、長机と椅子を置き、職員が作成したプラカードを掲示し来場者を迎えた。利用者3名が参加し、うち2名が描き手となり、1名がキーボードを弾いて演奏で盛り上げる。
午前の活動
photos : Ayaka Umeda
午後の活動
地域と利用者が直接つながる方法を探りながら始められた似顔絵描き。通りすがりの人と挨拶するように似顔絵を描く日を夢見ていた。はぁとぴあ祭でその夢への具体的な一歩を進めることができた。
2023年11月15日(水)10:00~14:00 会場:はぁとぴあ原宿
企画実施 バナナの植え替えと岩田の企画構想
大きな鉢に植え替えて、越冬に備えた準備をする
9月にSHIBAURA HOUSEからはぁとぴあ原宿の屋上にやってきたバナナの苗。「苗」といっても既に3メートル近くまで成長したバナナは、小さいバケツの鉢では窮屈になったので、職員と相談し屋上の角に植え替えることになった。
photos: Ayaka Umeda
バナナを収穫して食べる日を夢見ている職員もいるので、無事に冬を越して春先に大きな葉が出てくることをみんなで願った。